報酬改定の年は、単位数・加算率・サービスコードが一斉に変わります。対応が漏れると「知らないうちに旧単価で請求していた」「体制届を出し直しておらず加算が算定できない」といった事故につながります。本記事では、改定の年に事業所がやるべきことを時系列のチェックリストに整理します。
01報酬改定で何が変わるのか
- 基本報酬の単位数 — 区分・定員・時間区分ごとの単価
- 加算の率・単位・要件 — 加算の新設・廃止・要件変更(令和8年6月は処遇改善の上位区分「ロ」新設など)
- サービスコード表 — 請求CSVに使うコードの追加・廃止
- 様式・届出 — 体制届の様式変更、新加算の届出
02対応のタイムライン
告示・通知の公表改定内容の確定
要件の確認自事業所の算定区分への影響を整理
体制届の提出新区分・新加算は期限までに届出
単価・コード更新請求ソフトのマスタ切替
改定月の提供新単価でのサービス提供開始
翌月10日請求新単価での初回請求・検算
改定対応の流れ — 体制届とマスタ更新は「改定月の前」に終える
注意
新しい率・単価が適用されるのは改定月のサービス提供分からです(令和8年6月改定なら、6月提供分=7月10日までの請求から)。体制届が間に合わないと、新区分は算定できず遡及もできません。
03実務チェックリスト
- 告示・留意事項通知・Q&Aを確認し、自事業所が算定中の加算への影響を一覧化したか
- 区分変更・新加算の体制届(加算届)を期限内に提出したか(提出済みの控えを保管)
- 請求ソフトの単価マスタ・サービスコードが改定版に更新されているか
- 処遇改善の計画書を新しい率・区分で更新したか
- 改定月の請求で前月との金額差を検算し、差の理由(率変更・単位変更)を説明できるか
04令和8年6月改定を例に
令和8年6月改定では、処遇改善加算に上位区分「Ⅰロ・Ⅱロ」が新設され、率も引き上げられました(例: 放デイのⅠは13.4%→ロ取得で15.5%)。この場合の実務は「①ロの要件(生産性向上の取組等)を確認 → ②体制届で区分変更を届出 → ③請求ソフトの率を6月提供分から切替 → ④7月請求で金額差を検算」の4点セットになります。
ポイント
フクセルは単価・加算率を適用期間つきのマスタで管理しており、改定月になると新しい率へ自動で切り替わります。旧単価での誤請求を、運用ではなく仕組みで防げます。
まとめ
改定対応の失敗は「体制届の出し忘れ」と「マスタ更新漏れ」の2つに集約されます。改定の年は告示確認→体制届→マスタ更新→初回請求の検算を1本のチェックリストとして回しましょう。